中古住宅購入時に外壁塗装は必要？

近年、中古住宅の人気が高まり、リフォームを前提に購入を検討する人が増えています。リフォームの際に、内装のリフォームだけに目が向きがちで、外壁のメンテナンスを後回しにしてしまうケースも少なくありません。そこで、本記事では中古住宅購入時に外壁塗装が必要な理由や確認すべきポイントについて詳しく解説します。

中古住宅は購入前に外壁塗装の状態を確認しておこう

中古住宅を購入する際、内装のリフォーム計画に意識が向いてしまう方も多いのではないでしょうか。壁紙の張り替えや床材の入れ替え、設備の更新といった目に見えやすいリフォームに注力してしまいがちです。

しかし、建物を長持ちさせるためには、外壁のメンテナンスも大切です。外壁が劣化すると、防水性・断熱性・耐久性が低下し、最終的に構造体にまでダメージがおよぶリスクもあります。

また、ひび割れや剥がれを放置していると、雨水の侵入によって内部の木材が腐食し、シロアリ被害につながることもあるのです。

ホームカルテといわれる住宅履歴情報があれば、外壁・屋根に塗装がいつ行われたか、使用された塗料の種類、メンテナンス履歴を確認できます。中古住宅の購入の際には、一度住宅履歴情報を確認してみましょう。

もし外壁塗装が必要な場合は、購入時にリフォーム計画に組み込むのがおすすめです。住宅ローンとあわせてリフォーム費用を組み込めば、あとから別途費用を用意するよりも負担を抑えられるケースもあります。

また、購入前に外壁の状態を確認することで、購入後のリフォーム費用を見積もりやすくなります。住宅は見た目以上に経年劣化が進んでいることもあるため、購入前の段階でしっかりと確認しておきましょう。

中古住宅の外壁塗装でチェックしたいポイント

外壁塗装を検討する際には、見た目だけで判断するのではなく、以下のようなポイントを確認することが大切です。

チョーキング現象やひび割れの確認

まず注目したいのがチョーキング現象やひび割れです。チョーキングは塗膜の劣化サインであり、放置すると塗装の防水性が失われます。また、外壁に細かなひびが入っている場合、ひび割れの部分から雨水が浸入するおそれがあります。

シーリング（コーキング）の状態

モルタル壁やサイディングの継ぎ目部分にあるシーリングも要注意です。シーリングが硬化してひび割れている場合は、打ち替えや補修が必要です。

色あせやカビ・苔の発生

外壁の色あせやカビ・苔の発生も劣化の兆候です。見た目が古くみえるだけでなく、湿気による構造体への悪影響も懸念されます。

屋根や付帯部分の確認

屋根や軒天、雨樋などもあわせて確認し、全体的なメンテナンス計画を立てることが大切です。

使用塗料と耐用年数の把握

中古住宅では、前の所有者がいつ外壁塗装を行ったのか、使用した塗料の種類やグレードを確認しておくことも重要です。

たとえば、一般的なアクリル塗料は耐用年数が5〜7年程度ですが、シリコン塗料であれば10年ほど、フッ素塗料なら15年近くもつ場合もあります。使用された外壁塗装の情報を把握することで、今後の塗り替え時期を予測しやすくなるでしょう。

外壁の状態のチェックは誰にまかせればよいか

中古住宅の外壁状態を自分で判断するのは難しいものです。外見上はきれいに見えても、内部に劣化が進行しているケースも少なくありません。自己判断が難しい外壁塗装のチェックは、購入前には専門の業者による外壁診断を依頼するのがおすすめです。

専門業者による外壁診断のメリット

外壁塗装業者やリフォーム会社では、専用の機材や経験をもとに、外壁の劣化度合いを詳しく調査してくれます。ひび割れの深さ、コーキングの状態、塗膜の劣化具合などを細かくチェックし、修繕が必要な箇所を明確にしてもらえます。診断結果をもとに、塗装すべき箇所や適切な塗料を判断できるでしょう。

一括リフォーム対応業者の活用

リフォーム全体を見据えた外壁塗装を行う場合は、一括リフォーム対応の業者に依頼するのがおすすめです。中古住宅では外壁以外にも、屋根、内装、水回りなど、複数箇所に修繕が必要となることが多いため、それぞれを別々の業者に依頼すると、費用や工期の調整が煩雑になってしまいます。

一括してリフォームを任せられる会社であれば、工期や費用の見通しを立てやすく、全体のデザインや仕上がりも統一感が出ます。また、外壁と屋根を同時に施工することで、足場の設置費用を1回分に抑えられるなど、コスト面でもメリットが大きいのが特徴です。

信頼できる業者選びのポイント

信頼できる外壁塗装・リフォーム業者を選ぶ際は、実績や口コミ、保証内容なども確認しておくと安心です。無料診断や見積もりに対応している業者も多いため、複数社を比較検討し、納得できる業者を選定しましょう。

まとめ

中古住宅を購入する際は、内装だけでなく外壁の状態も確認することが大切です。外壁の劣化を放置すると、見た目の老朽化だけでなく、建物全体の耐久性にも悪影響をおよぼします。外壁塗装を適切なタイミングで行えば、建物の寿命が延び、購入後も快適な住環境を維持できます。また、外壁塗装を含むリフォームは、部分的に異なる業者へ依頼するよりも、一括して任せられる業者に依頼するほうが効率的です。費用や工期の調整がスムーズになるほか、仕上がりにも統一感が生まれます。中古住宅を購入する際は、外壁診断とリフォームの両面から計画的に進め、安心して長く住める住まいづくりを目指しましょう。